山崎豊子さんのエッセイ集「大阪づくし 私の産声」を読みました。確かに山崎さんの作品は大阪が舞台であることが多く、彼女自身大阪人であることは知っていましたが、ここまでコテコテの大阪人であるとはちょっと意外でした。このエッセイ集は「山崎豊子自作を語る」の2冊目で、1冊目「作家の使命 私の戦後」で戦争三部作、「不毛地帯」「二つの祖国」「大地の子」と「沈まぬ太陽」「運命の人」周辺を書いていたので、どうなのかなと思っていたら、案の定「白い巨塔」「華麗なる一族」周辺を中心に「暖簾」「花のれん」「ぼんち」に触れられていました。「暖簾」「花のれん」「ぼんち」は読んだことが無いのですが、この辺が「大阪づくし」なんだろうなと思わされる書きぶりでした。それにしても、旺盛な取材に裏付けられた彼女の作品を常に凄いなと思って読んでいましたが、さすがに常道を逸している気がしました。あれだけのものを取材して、自分の血肉として作品に投影するということは、こういう事なんですね。プロフェッショナルとはこういう事かと改めて身の引き締まる思いがしました。

大阪づくし私の産声山崎豊子自作を語る2 (山崎豊子自作を語る 2)
- 作者: 山崎豊子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
今月の読書 1冊
1月からの読書 110冊