山崎豊子さんの「作家の使命、私の戦後 山崎豊子自作を語る1」を読みました。結果的に久しぶりの書評になってしまいましたが、この間は結構いろんな本に目を通していて、でもなぜか読みきれなくて、次の本に手を出しという繰り返しだったのですが、さすがに山崎豊子さんの本は読みきらせてしまう力がありました。はじめにに書いてあるように、この本には「不毛地帯」からの戦争三部作(残り二つは「二つの祖国」と「大地の子」)、今秋映画化されることになった「沈まぬ太陽」、最新作「運命の人」について、取材時の苦労や執筆時の面白かった裏話を綴ったエッセイと山崎さんの作家生活の中でとくに印象に残った人たちに関する思い出の文が数編、収録されています。
戦争三部作や沈まぬ太陽を読んだのはずいぶん昔でしたが、こうしたエッセイを読むと読んだ本の感動がよみがえってくるようです。戦争三部作はやっぱり泣きましたね。最初に読んだのは「大地の子」、次が「二つの祖国」「不毛地帯」の順だったので、書かれた時期としては逆順を追った形になりましたが、それぞれの本が持つテーマがよみがえってきて、改めてこれらの作品に触れたくなりました。それにしても山崎豊子の作品を支える取材力は凄いですね。小説を読んでいて、良くこんなことまで書けるなと思うことがしばしばありましたが、それは丹念な取材に裏付けられた構想力があってこそなんですね。改めて凄さを痛感しました。

作家の使命 私の戦後 山崎豊子 自作を語る (山崎豊子自作を語る 1)
- 作者: 山崎豊子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/10/31
- メディア: 単行本
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