りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

人生後半の戦略書

アーサー・C・ブルックスさんの「人生後半の戦略書」を読みました。前半は流動性知能と結晶性知能の話。流動性知能とはいわゆる「頭の回転の速さ」や「地頭の良さ」などその人本来の頭の良さを表す知的能力で、この能力は「これまでに遭遇したことのない状況で、既存の知識では解決できない問題を解決する能力」のことであり、記憶や計算、図形、推理などの問題から測定することができるようです。一方、結晶性知能とは、これまでの経験と近い状況で、獲得した知識を用いて問題を解決する知的能力であるとされ、主に語彙や一般の知識のテストによって測定することができるようです。問題は、流動性知能は加齢とともに衰えていくこと。仕事である程度のところまで行きついた人は、流動性知能が優れているケースが多いわけですが、この能力はやがて年齢とともに衰えていき、自分が思い描くパフォーマンスが出なくなるということ。いつまでもこの能力に、あるいはこの能力に依存した成果(それは地位だったり、経済力かもしれない)に固執していると、衰えていく自分に直面して幸せになれないという流れ。早めに結晶性知能を活かした領域にシフトし、目標もそれに合わせて変更していくことで本当の幸せになれるというと簡単にまとめすぎかな。おそらく、目標設定を変えていくというのは正しくて、仏教が引き合いに出されていたけど、物質的な欲望は達成した時こそ達成感がある一方で、すぐに別の欲望に取って代われれるものだから、どこまで追いかけても満足できない。家族や友人たちとの人間関係、精神的なものはそういう欲望とは異なる性質のものだから、大切にすることで、幸せに満たされるということはあるんでしょうね。この本のポイントは、単に結論だけでなく、仕事の面からも脳の特性から積極的なキャリアチェンジを進めていること。まあ、この辺はとても自覚しているところでもあり、説得力のある内容でした。