りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

余命10年

生きることに絶望した男、余命宣告された女が、惹かれあって愛を育むけど、女性の命には限りがあってという陳腐なストーリーが想像できたのだけど、監督が藤井道人監督なのと、主演は小松菜奈さんなので鑑賞。
そして、ある意味期待通りだったのだけど、やっぱりそういう単純な純愛ものではありませんでした。
あと10年は生きられないという宣告。もちろん、日常生活にも制限があって、薬も飲み続けなければいけない。それにその日は突然来るのかもしれない。ある意味それは、余命1年よりも残酷な宣告。辛いのは本人も、家族も。そういうとても不安定な茉莉を小松菜奈さんが絶妙に演じる。当然恋愛にもどこか微妙な線引きができる。坂口健太郎さん演じる和人の愛は真っ直ぐなのだけど、どういう訳かあと一歩届かない。二人でいると幸せなのに、茉莉にはどうしても踏み込めない領域が存在する。ただ、茉莉がいてくれることで、和人は間違いなく人間として成長していく。生きること、生きて行くことを実感している。
桜の映像がとても印象的でした。節目節目に桜のシーンが差し込まれる。桜はどこか人の命の尊さを感じさせる花。とても効果的な印象を持ちました。
それにしても、泣きながら食事する小松菜奈さん、「糸」を思い出しちゃいましたけど、素敵すぎる。

余命10年