りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

護られなかった者たちへ

原作を読んで、映像化が楽しみだった作品。原作より東日本大震災の影響が色濃く出ていて、ストーリーとしてはその方が説得力があったけど、ラストのシーンはちょっとこじつけっぽかったかな。
日本は中負担高福祉の国といわれることがある。確かに北欧のように高い税金で高い福祉を実現しているわけではないけど、選挙の票に関係するのか高齢者への福祉は手厚いような気がする。ただ、映画で描かれたような、本当に苦しんで、生きる手立てを失ってしまった人たちに対しては、十分な支援がなされていないのは事実らしい。これ、生きる術を失った人は、生きる気力も失って、結果選挙の票につながらないことが遠因かもしれないけど、民主国家として最低限のセーフティネットは必要なんだろうなと改めて考えさせられました。一方で、そういう現場で働いている人たちって、何を目標にして働いているんだろうか。確かに辛い現場であることは事実。もしかしたら最初は高い志があったのかもしれないけど、無力感が変な方向に向かわせてしまうのかも知れない。そういう志が折られることもこの国の希望を失わせる原因。本当に色々なことを考えさせられる作品でした。

監督:瀬々敬久(鈴木俊久)

脚本:林民夫、原作:中山七里

出演:佐藤健阿部寛、清原果耶

護られなかった者たちへ