りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

護られなかった者たちへ

 中山七里さんの「護られなかった者たちへ」を読みました。本の帯には「怒りか、哀しみか、葛藤か、正義か」とあるように、日本の福祉制度を背景に哀しい殺人が行われる。ラストは考えてみればいくつか伏線があったのだけど、こういう結果なのかという展開。そうか、彼にはもう一人護りたい人がいたんだなと思ってしまいました。

確かに福祉はむずかしい。最後のセーフティネットっていうのは絶対に必要だと思うけど、安易にそれに頼ろうとする、あるいは不正にをれを受け取ろうという人がいることは否めない。特に日本の社会はドロップアウトに対して厳しい社会なので、一度どこかで踏み外してしまうと、安易にそちらに流れてしまう人がいるのも事実なんでしょう。だから運用は厳格にならざるを得ない。でも、それによって護られるべき人が護られない。色々な矛盾があって、哀しさがあって、とにかく考えさせられる本でした。

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