りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

塀の中の美容室

 櫻井美奈さんの「塀の中の美容室」を読みました。本屋さんのポップを見て気になっていたのだけど、Kindle Unlimitedであったので早速。一つ一つの話は独立しているけど、最後こういう風に繋がるのか・・・というのはありました。日本はとても邑社会だから、塀の外に出てからの方が大変なことも多いのだろうけど、そして犯罪者を家族に持つということもとても大変なことなのだと思うけど、そういう現実を受け止め、しっかり更生しようとする人がいて、それを理解する人もいる。その辺はある意味予定調和なのかな。ただ、家族が犯罪者になって、自分まで色々なことをあきらめなければならないという現実は、何とも・・・。ただ、姫川玲子じゃないけど、一線を超える覚悟をした、そしてそれができた人っていうのは、ある意味ちょっと違う存在なんだろうなと思ってしまうので、自分が現実としてそれを受け入れることができるのかはちょっと考えてしまうのも事実。避けるというほど積極的ではないにせよ、係わらないで済むのなら、係わりたくないと思ってしまうのが本音かな。ただ、物語にもあるように、被害者と加害者っていうのは本当に紙一重のところがあって、それまでずっと逆の立場であったものが、何かのキッカケに反撃に出て、それが法を犯してしまった瞬間に被害者と加害者の立場は逆転してしまうだけでなく、そこで固定されてしまう。世の中にはそういう理不尽があって、それを受け入れて更生しようという気持ちは素直に応援したいと思ってしまいました。

塀の中の美容室 (双葉文庫)

塀の中の美容室 (双葉文庫)

 

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