りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

発注いただきました!

 朝井リョウさんの「発注いただきました!」を読みました。この本、はじめににあるように、企業とのタイアップ作品や他の作品とのコラボを集めたもので、作品の前後に、どんな発注を受けて書いた作品なのかと発注にどう答えたのかについてコメントを付けている作品集です。で、最初が森永製菓から依頼された「キャラメルが登場する掌編 全三話」っていうのがあって、小説の中にとても上手にキャラメルという小道具が使われている。話も面白かったけど、思わずキャラメルを買って、作品の中にあるように使ってみたくなる・・・ということで、気に入って購入しました。で、Amazonから届いた日に春の情報処理試験が中止になった連絡を受けて、ずっと我慢していた本を読める・・・と思って、会社の帰りに久しぶりに参考書でなくこの本を開いて、滅茶苦茶嬉しかった記憶があります。ただ、その後在宅勤務になって小説を開く時間がなかったのと、ちょっとつまずいた作品もあって、積読に回っていました。で、昨日再開。やっぱり面白くて一気に読んでしまいました。ただ、20番目の最後の作品「贋作」はこの本のオリジナル作品といっていいのかな。新作の短編。そして、朝井さんの作品にしては珍しく?主人公があまり若くない。朝井さん自身が若いこともあって、朝井さんの作品の主人公は男女を問わず、学生とか若手の社会人。それはそれで面白いのだけど、この作品は初老といっていい年齢の職人。なかなか趣が違ったのだけど、それだけに違うものがあったような気がする。テーマは作られた謙虚さなのかな。そういうのはかえって迷惑。パフォーマンスにしか見えない。偽物は偽物だけに表面を飾る。上辺の好感度という作品とは違った部分で注目を集める。そういうのが嫌だったんでしょうね。伊佐江さんも本物の職人なら、そのことに気づいてもおかしくなかったんじゃないかなとは思うけど、祥久の気持ちはわかるような気がしました。祥久と同年代の自分としては、自分がやった仕事に対するお礼としての他人の厚意は、素直に受け取るべきなんじゃないの・・・って思いますね。

発注いただきました!

発注いただきました!

 

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