りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

連続講義・デフレと経済政策

池尾和人先生の「連続講義・デフレと経済政策」を読みました。非常に良い本です。私のように経済学を体系的に学んだことがない人間にとっては、基礎から理論面的裏付けをもって説明される論旨は明快で、非常に理解を助けることとなりました。第1講なぜ日本はデフレに陥ったのか、第2講マクロ経済学の新しい常識、第3講ゼロ金利制約と金融政策、第4講金融緩和と為替・財政政策、第5講アベノミクスの現在と将来という構成で、個人的には第3講と第4講の解説が素晴らしく、第3講では非伝統的金融政策の中身と限界を第4講では財政政策の限界についての理解が進んだように思います。
まず、「ルーカス批判」は重要。政策の効果は、その政策導入に応じて民間主体がどのように行動を変えるかつかんでいないとわからないということで、ミクロ経済学の基礎づけなしのマクロ経済学モデルはルーカス批判に耐えられないということとなり、DSGEモデルにつながります。第3講の自分なりのポイントは、伝統的金融政策が短期国際と準備預金の交換という特性の違うものの交換によって、短期金利の低下を促し、景気刺激効果を狙ったものに対し、ゼロ金利下では、ほとんど利子のつかない短期国債と準備預金は特性が似てしまうため交換しても経済効果は生まれないという主張。また、米国のQE1〜QE3は量的緩和ではなく信用緩和でリスク資産のリスクプレミアム部分を低下させるという狙いがあったこと。あと、出口で顕在化するコストでしょうか。
まだ、きちんと消化できていな部分があるので、よく復習したい本です。

連続講義・デフレと経済政策 アベノミクスの経済分析

連続講義・デフレと経済政策 アベノミクスの経済分析

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