りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

合理的群衆行動の法則とユール・スルツキー効果

日本経済新聞の経済教室面のゼミナール「市場を考える」の32回。今回の見出しは「大数の法則、参加者が協調すれば不成立も」というもの。ちょっと興味を持って読んでみました。囲みで定義が書いてあったのでこれを転記すると「大数の法則;歪んだコインも何度も投げれば、裏表の出る頻度は真の確率に近づいていく」「合理的群衆行動の法則;歪んだコインで、裏側と表側のどちらが出やすいかを順に聞いていくと、最初の数人の意見で過半数を取った側に、残りの全員の意見が引き寄せられてしまう」です。これを実社会に適用すると「ある種の商品は他人にとって魅力的なものが、まさにそれが理由で自分にとっても魅力的商品になる」というわけで、その顕著な例として金融商品が挙げていました。極論すると、51%以上が「買い」だと思えば「買い」が正解になるから、少しの情報の揺らぎで、人の行動が雪だるま式に影響を受けてしまうと結論。アルゴトレーディングなどが進めばなおさら?いずれにせよ、大数の法則が成り立たないとすると、なかなか予測は難しいですね。良い勉強になりました。
一方、「やさしい経済学」は昨日から新潟大学教授の家富洋先生の「経済物理学からみた景気変動」です。こちらも面白い。俄然、経済物理学が好きになってしまいそうです。今日は新しい言葉がひとつ「ユール・スルツキー効果」。これは「規則性がなくランダムな動きをする時系列でも、移動平均操作を施せば周期変動が起こりうる。」というもの。これは景気循環を起こすのは基本的に需要の変化ではなく供給側の実物的ショックだと考えるリアルビジネスサイクル(RBC)理論を考える上で重要なものらしい。つまり、新古典派的な均衡状態を想定するRBC理論では、経済が変動するのは生産性ショック=ランダムな変動であり、そこで確認される周期はユール・スルツキー効果による偶然の集積という主張らしい。面白いけど、ちょっと判らない。そもそもユール・スルツキー効果があるような時系列は本当のランダムといえるのだろうかという点が1点。景気循環、特にキチンサイクルといわれる短期の循環は、従来通り在庫循環で説明した方が納得感があるような気もします。もうちょっと勉強します。