堺屋太一さんの「東大講義録 文明を解く 2」を読みました。この本、歴史の流れの整理と凄い説得力があるのだけど、どうしてもまとめきれません。というわけで、メモを少しだけ。ひとつはトピックスとしての「モハメッド・アリの矛盾」アリは1974年にフォアマンとの選手権試合をアイドホール劇場のチェーンに配信、入場料に1ドルずつの献金を集めてアフリカの最貧地域セネガルあたりで井戸を掘りました。国連も大いに喜んで「アリの井戸」として有名になったのです。ところが、そこに水が湧くと遊牧民が周囲から離れなくなりました。そこに住み着いた遊牧民は家畜に草木を食わせ、樹木を伐って燃料にしました。この結果、その周辺百キロほどが禿げ地に成りました。やがて、禿げた部分が広がるとそこに大西洋から熱風が吹いてきて、山林を抜ける「風の通り道」ができた。そのため大西洋からアリの井戸まで木々が生えない場所ができて、大変な自然破壊につながったということです。善意が最悪の結果を生んだということですね。合成の誤謬の例です。
あとは、最後にあった日本を復活させる唯一の道。1)規制を緩和し、人と金と技術の流動性を高めること。2)知価創造的な構成と独創性に富んだ人材を育成し尊重すること。3)多様な情報の収集と発信力を拡大すること。とあって、現在の日本の体制制度およびマスコミの論調はこの反対方向にあるというもの。日本の改革、知価社会科は官僚制度の改革から入らねばならないということでした。まあ、いろいろ消化仕切れない部分もあるので、何とか整理したいです。
東大講義録 文明を解くII―知価社会の構造分析 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/12/02
- メディア: 文庫
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