先日読んだ「東大講義録」のⅡ巻。知価革命についての核心に迫っているようなないようでした。この作品、そもそもの講義が2002年、文庫本としての出版は2010年ですが、よくよく今を見通していてとても示唆に富む本でした。人間が何に価値を見出すかというが根底にあるわけで、経済のサービス化というかコンテンツの重要性が高まってくると、絶対的な価値というのが無くなって、また価値自身も大きく変化するようになるというのがひとつのポイント。結果として良いものを規格化して大量に作るという時代が終わったということを意味します。規格大量生産の重要性が低下すれば、大きな資本が必要ではなくなりますから、金融のあり方も変わる。普遍的な価値がなくなるので、リスクが高まるのであれば、ポートフォリオを作ってリスクを分散、ヘッジするというが求められる金融機能としても大きくなる。商業銀行の時代じゃないんだなという意味でも、いろいろ考えさせられる内容でした。もちろん、そんなことだけでもなくて、非常に勉強になる本でした。

東大講義録 文明を解くII―知価社会の構造分析 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/12/02
- メディア: 文庫
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