堺屋太一さんの「東大講義録 文明を解く 1」を読みました。前の文章で正岡子規が闘っていたものは、江戸時代の形式的な文化という話をして、この見方はこの本の影響だなと思い出しました。この本によると、徳川時代は何よりも「安定」を大事にし「効率」を犠牲にした時代だということだ。美意識は「様式」。子規が否定したのはこれですが、「様式」を大事にするということは「オリジナリティを否定する」ということでもあります。これが日本人のDNAなんですね。だから「模倣し、これを改良し高めることは得意」なわけですが、オリジナルなものは提案できないということです。もちろん、この本の主題は「知価革命」。ですが、これは日本を考える上でのキーポイントのように感じました。子規はこれと闘っていたんですね。東大講義録は2巻もあるので、こちらを読了したときまた整理します。
- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/11/02
- メディア: 文庫
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