りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

朽ちないサクラ

原作は未読。なるほどタイトルの示す通り、朽ちないサクラでした。少数の犠牲を払ってでも、多くの命を危険に晒す事件を未然に防ぐ。マイケル・サンデル先生の白熱教室「これから正義の話をしよう」ような議論ですが、それだけでなく、組織が組織を守ることが目的化しているところもあって、そこで払われている犠牲が意外に大きいように感じた。
映画としては、一見落着したような被疑者死亡での事件が終わったところから、安田顕さんに迫る杉咲花さんの推理の展開が始まる。安田顕さんが物わかりの良い上司で終わるはずもなく、タイトルが示す通り公安の人でした。ただ、公安の恐ろしさを本当に知ってしまったら、あんなに具体的に対峙できるものなのだろうか?次は自分が殺されるかもしれないと思わないだろうか?確かめたい気持ちは判るけど、決して確かめられないし、それを暴いたところで、何が変わるわけでもない。公安も警察組織の一部なのだから・・・その恐ろしさを胸に秘めてぐっと気づかぬふりをして、黙ってしまうのではないだろうか?そんな疑問を持ってしまいました。

監督:原廣利

脚本:我人祥太、山田能龍

出演者:杉咲花安田顕萩原利久

朽ちないサクラ