不器用な親父さんと周囲の人たちに愛情一杯に育てられた旭の半生の物語。不器用な親父さんが本当にベタに不器用で、ここまで感情がストレートに出て、素直に優しさを体現できない姿は一般的には泣けるところだけど、ちょっと自分は違うかなって思ってしまった。ただ、自分を飾ったり、見栄でカッコよくふるまわない真っ直ぐさは少し羨ましくもあった。それにしても旭って、同じ歳なんですね。早稲田の合格電報は「桜咲く」より「稲実る」じゃないかなとか、あの時代、合格電報といってもほとんどは電話だったはずとかそういうツッコミはおいておいて、色々な人に愛されたからこそ、年上でバツイチ子持ちの女性でもすんなり受け入れられたのかなとか思ってしまいました。それにしても杏さん、オシャレでカッコ良かった。旭が最後に直木賞作家になっていたのは、この結婚と生き方が正しかったような気がして良かった。
監督:瀬々敬久
脚本:港岳彦