りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

こちらあみ子

今村夏子さんの「こちらあみ子」を読みました。映画「花束みたいな恋をした」で出あったばかりの麦と絹が今村夏子作品について話すシーンがあって、「デビュー作『こちらあみ子』も好きだけど」と前置きしつつ、同時収録された書下ろしの「ピクニック」を絶賛。その後、就活の圧迫面接や理不尽な思いをした際に「その人は、きっと今村夏子さんの『ピクニック』を読んでも何も感じない人だ」というセリフがあって、少し気になっていました。そんな時、「私もこのセリフを言ってみたい」という呟きを聞いて、俄然読んでみたくなりました。

読んでみて、個人的には「こちらあみ子」の方がインパクト強かったな。小説の中でも何度か出てきていたけど、あみ子はやっぱり気持ち悪い。ちょっと足りないのだろうけど、こんなに周囲に同化しないで、外側にいる人が身近にいたら、本当に気持ち悪い。それはある意味強さでもあるのだろうけど、ちょっと耐えられないな。そして、残念ながら自分も「ピクニック」を読んでも何も感じない人なんだなと思ってしまいました。多分新人の女の子と同じように七瀬さんを見てしまいそうな気がする。不思議とあみ子と七瀬さんには一人の人をずっと思う一途な気持ちという共通点があるわけだけど、何か自分とは違うな。

こちらあみ子 (ちくま文庫)

こちらあみ子 (ちくま文庫)

 

[DATA]

今月の読書 4冊

1月からの読書 10冊