りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

戦場のピアニスト

さすがに名作といわれる作品だけあって、重厚な作品だった。「シンドラーのリスト」を見た時もそうだったけど、やはりドイツはこうした歴史の蛮行をずっと背負わなければならないし、欧州はこの歴史を持ったがために人権を常に最優先に考えていかなければならないのだろうと思った。戦争の酷さはもちろんだけど、集団心理がこうも簡単に人権を奪う蛮行に走るのかというところを忘れないでいたい。ただ、常に言われるように、ナチスの狂気が突然変異で生まれたわけではない。第一次世界大戦後のドイツに対する過酷な戦後賠償、ベルサイユ条約があって、ドイツ国民がナチスの登場を歓迎したことも忘れてはならない気がする。ある意味報復。
映画に関していえば、シュピルマンがピアノを弾けなければ、あのドイツ人将校は彼を助けなかったのか?というのは少し感じた。本当にショパンが弾けたことで、この才能を残したいと思ったのだろうか?あとポーランド人の気骨とドイツに反抗したユダヤ人の死を名誉の死と称賛していることについて。何が何でも生き延びたシュピルマンとは対称的に、名誉のために戦い死んだユダヤ人達がいて、それを評価するポーランド人達から、自分たちの正義のためには時に命を賭してでも戦うべきという意図も感じてしまった。戦争はいつも正義と正義の戦い。戦争は形を変えても無くならないということなのかもしれない。

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