りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

確率思考の戦略論

 

森岡毅さんの「確率思考の戦略論」を読みました。判ったこのと1つ目は、「売上を伸ばすためには、1)自社ブランドへのプレファレンスを高める、2)認知を高める、3)配荷を高める、の3つしかない 」ということ。プレファレンスは、一言でいうと好意度。主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定される。配荷率とは、市場にいる何%の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標。

で、重要なプレファレンスを表す式がNDBモデルというもの。パラメータMは自社ブランドが選ばれる確率、Kは消費者の購入確率。通常負の二項分布が使われるらしい。この辺そうなんだろうなと納得。オペリスクやっていた時の損失発生確率もそうでした。離散型の分布はそもそもそんなに多くないし、理論的に導出が判り易いので全然異論はありません。そして、マーケティングは当然Mを伸ばすことが重要。Mを伸ばすためには垂直方向と水平方向があるという言い方をしていて、簡単にいえば、水平は全体の中でそのブランドを選んでもらう人を増やす方法、垂直はそのブランドを選んでくれる人の購入回数を増やす方法。本ではAKBの総選挙で説明されていた。例では具体名は出ていなかったけど、西野七瀬押しだとして、西野七瀬のファンを増やす方法と、西野七瀬ファンにより多くCDを買わせて投票してもらう方法。AKBの総選挙は熱狂的なファンがCDという名の投票権を買っているので、垂直方向もあるわけだけど、実際は水平方向に増やす方が現実的かな。個人的には同じものを購入する頻度を上げるのは難しいような気がする。結局マーケティングはこれなんですね。

本では、この次にターゲティングの話が出ていた。ターゲットっていうのは、ある程度ターゲットを決めて集中的に認知度を上げてそのターゲットの中で水平方向のMを伸ばすことなんだと思うけど、そもそもターゲットのポテンシャルが小さいと、いくら認知度を上げても全体としてMは大きくならないという話だったと思う。

この本は、「確率思考」といっているけど、基本的には確率論ではなくて構造をきちんと捉えろと言っているのだと思う。マーケティングの基本はプレファレンスを上げること。プレファレンスを上げるのは水平方向と垂直方向があるけど、まあ普通に考えると水平方向にMを上げるのが自然。そのためには、まず認知度してもらい、好意を持ってもらうことが重要なのだけど、幅広く認知してもらうのは効率的ではないので、ターゲティングして認知を上げることが大事。でもターゲティングが狭すぎると、いくら認知を上げても好感度を上げても需要は伸びない。こういう構造をきちんと捉えて、モデル化し、そこに数字を当てはめて考えると効果的な戦略が打てないということなんだと思う。何となくスッキリした。

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