ソロモンの偽証第3部法廷の下巻に文庫本のみに書き下ろされた「負の方程式」を読みました。主人公藤野涼子が弁護士になって、中学校で起こった事件に係わる。探偵として杉村三郎が出て来たのにも驚いた。「名もなき毒」「誰か」「ペトロの葬列」の杉村三郎だと思います。面白かったというより、少し考えさせられました。学校の問題教師、成績の悪い生徒をまともに扱わない教師にでっち上げの事件を起こし罷免する。それを演出したのが中学生。ソロモンの偽証におまけのように付いている読み切りなので、そこにある意味はソロモンの偽証と通じるものがあるのだろうけど・・・共通するのは中学生の事件という点だけ。映画の感想でも書いたけど、何でこの設定が中学生なのか?という私の問いへの答えなのかもしれません。大人が思うほど、中学生は子供ではないということ。自分たちで事件も起こすし、ことの善し悪しを裁判という形で白黒つけることもできる。中学生は十分にそういう分別があるという宮部みゆきさんのメッセージなのかもしれません。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/10/28
- メディア: 文庫
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