りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

職業としてのAV女優

中村淳彦さんの「職業としてのAV女優」を読みました。雑誌の書評を読んで興味を感じたのですが、結論はある意味「はじめに」に書いてありました。引用します。

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売春の世界におけるヒエラルキーの頂点であるAVアイドルから、末端の企画AV女優や素人売春婦まで、「どうして裸になったのか?」という事をテーマに話を聴く。その理由はそれぞれであるが、女性たちがカラダを売る理由やその仕事に対する意識は必ず社会を反映している。例えば1990年代と2000年代後半以降のAV女優では、全く人種が異なっているといっていいくらいに違う。その背景にはITの浸透や社会倫理の弱体化、貧困層の登場やAV業界内の激しい競争が潜んでいる。女性たちの裸仕事に対する意識も変わり、かつては「たくさん稼いで、早く足を洗いたい」だったものが、いつも間にか「できるだけ長く続けたい」というものが一般的になっている。ただ生きるには希望がなく、女性たちが裸になってでも誰かに承認されたいと願う社会が、セックスを売るAV女優たちに敏感に反映されているのである。

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この文章に象徴されていますが、AV女優をとらえる社会の目というのが大きく変わってきているということに驚きを覚えました。AV女優を希望する女性が増えていること、AVは誰でもできるお金に困った女性の駆け込み寺的な職業ではなくなってきていること。そしてその報酬が信じられないほど安いこと。ちょっとびっくりする話ばかりでした。ただ、自分が感じたことは日本という社会がとても閉塞社会であるということ。こういう閉塞社会の中でAVという形で社会から承認される快感。この辺に今の日本の病巣を見たような気持ちになりました。

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

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