りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

名著講義

やはり朝は背中が痛かったですが、全般的に気にならない程度になってきました。まだ、姿勢によって痛みが出るので安心はできませんが、この程度なら日常生活に大きな支障は無いかなと思います。週末、痛みがぶり返さなければ一安心です。

今週、少しずつ読み進めていた藤原正彦さんの「名著講義」を読み終わりました。昨年暮れに日経新聞の書評で見つけた本ですが、非常にためになったと思います。この本はお茶の水女子大での読書ゼミをベースにしたもので、ゼミでは毎週1冊の課題図書が与えられ、これについて意見を交わすという方式を採っています。取り上げられている本は、新渡戸稲造「武士道」、内村鑑三「余は如何にして基督教徒になりし乎」「代表的日本人」、福沢諭吉「学問のすゝめ」「福翁自伝」、日本戦没学生記念会編「きけわだつみのこえ」、渡辺京二「逝きし世の面影」、山川菊栄武家の女性」、無着成恭編「やまびこ学校」、宮本常一「忘れられた日本人」、キャサリン・サンソム「東京に暮らす」そして藤原正彦「若き数学者のアメリカ」「孤愁」などです。全体を通して、古くから持つ日本人の良さというのを理解し、失わないことという理念があったように思います。日本人の良さとして、例えば「武士道」の解説の中には「日本人独自の武士道が、欧米人の基準に照らし合わせても高い道徳的価値を有している」という発言がありますし、内村鑑三の「接ぎ木思想」の説明として「儒教や仏教といった日本人の核にあるものにキリスト教を足していくという感覚」というのがあります。また、「忘れられた日本人」の解説の中には「幕末から明治のはじめに来日した外国人は異口同音に『日本人は貧しいがみな陽気でしあわせそう』といったが、この謎かけのような観察に対するひとつの回答がここにある。当時の日本人には、自分と家族の絆ばかりでなく、自分と共同体との絆による安らぎがあったのである」とあります。古き良き日本人には儒教や仏教をベースとした高い道徳があり、家庭の絆、地域の絆があるが故に安らぎがあり幸福があった。それは欧米人の基準である経済的余裕=幸せという方程式では説明できない幸せであるということでしょうか。とりあえず、課題図書ひとつひとつに魅力を感じました。きちんと読んでおこうと思います。
あと、藤原さんって新田次郎さんの息子だったんですね。全然知りませんでした。

名著講義

名著講義

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今月の読書 2冊