りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

オッペンハイマー

3時間の長編だけど全く長さは感じなかった。すごい作品だと思う。クリストファー・ノーラン監督の作品というのは、こういう作品なんですね。時間がいったり来たりするのと、登場人物が多いので頭の整理が大変。アインシュタインをはじめ、ボーアとかテラーとか有名物理学者が続々と登場してくるのも面白い。天才物理学者といえども、挫折を経験し、精神的に追い込まれたり、恋愛関係で悩んだり、共産主義に傾倒する、そしてスパイの嫌疑をかけられる。殺人兵器を作る罪悪感と敵国に先を越された時の脅威に怯え、実際に使われた事による惨状に慄き、抑止力の重要性、アイゼンハワーの世界政府という理想に縋る。原爆の父、オッペンハイマーという人は、もっとドライにただ純粋に理論を追求して原爆という兵器を生んだのかと思っていたら、全然人間臭かった。それはちょっとした驚きでもありました。先端技術が人類の脅威に。現代では生成AIでも同様な議論がある。開発することで人類を脅かす側面もあり、ゆえにルールが必要だけど、全てが、特に悪意のある敵国がこれに従うとは限らない。アイゼンハワーの世界政府という理想は、ある意味国連の理想であり、日本国憲法の土台にも通じる理念だけど、現実世界では国連が機能していない。科学者がそういう問題に直面した時、研究をどうするべきなのか・・・難しいですね。

監督:クリストファー・ノーラン

脚本:クリストファー・ノーラン

出演者:ギリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニーJr、フローレンス・ピュー

オッペンハイマー