西川美和監督のデビュー作。最近マイブームなのでこれも見てみました。それにしても、一作目からかなりヘビーな作品。堕ちていくときは本当に堕ちていくんだなっていう感じ。認知症のじいさんのうめき声を聞こうとしなかった母親。まあ、気持ちは判るけど普通出来ないよね。で、そのじいさんの葬儀で父親の意外な秘密が明らかになる。会社は既に辞めていて、借金のヤマ。葬儀の場に借金取りが。こんなところに借金取りが来るなんて、それはそれでかなりヤバい領域まで落ちている。そこに救世主のように現れたのは、行方不明だった長男。世渡り上手な嘘でその場を切り抜け、何となく希望を見せるが、やっぱり嘘は嘘。そもそも長男は香典泥棒だったり。家族がどんどんと投げやりになっていく過程が見事に描かれているような気がした。でも、まあそうなんだけど、全然救われないな。
