りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論

 橘玲さんの「朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論」を読みました。この本を読んで少し判ったのは、リベラルという言葉の意味。ずっと進歩的文化人が好きなリベラルを毛嫌いしていたところがあったのだけど、意外に自分はリベラルなんだと思うところがいくつか。自分が嫌いだったのは、リベラルそのものというより、リベラルを主張する人の裏にあるいやらしさだったのかな。

あとがきにあった、いくつかの言葉を引用しよう。

・リベラルが〝知的〟で〝良心的〟な理由がわかるだろう。彼らは高い知能によって「良心」を利己的に使う方法を知っているからこそ社会的・経済的に成功し、だからこそ嫌われるのだ。
・人種、国籍、宗教、性別、性的指向、障がいの有無にかかわらず、すべてのひとが自分の可能性を最大化できる社会が、グローバルスタンダードのリベラルが理想とするものだ。
・私はこの 10 年あまり「日本は先進国の皮をかぶった前近代的身分制社会」だと述べてきた。日本の社会では「正規/非正規」「親会社/子会社」「本社採用/現地採用」などあらゆるところで「身分」が顔を出す。日本ではずっと、男は会社という「イエ」に滅私奉公し、女は家庭という「イエ」で子育てを「専業」にする生き方が正しいとされてきた。
・国家の最大の暴力装置である軍の役割を憲法で規定しない民主国家などあり得ない。
憲法改正を拒絶するリベラルな憲法学者は、複雑怪奇な理論によって自らの主張を正当化しようとするが、これは「無知な大衆は黙って従え」というエリート主義そのものだ
・日本で「リベラル」を自称するひととはそりが合わない。それは彼らの主張が間違っているからであり、そのきれいごとがうさん臭いからでもある。
・日本で働き方改革がいっこうに進まないのは、「正社員」の既得権を守ることだけを目的としている労働組合が頑強に反対し、「差別」を容認しているからだ。
・日本的雇用は(男性)正社員に会社に滅私奉公することを求め、妻は専業主婦として子育てに専念するのを当然としている。
・重層的な差別である日本的雇用を容認しながら、口先だけで「リベラル」を唱えても、誰も信用しなくなるのは当たり前だ。リベラリズムを蝕むのは「右(ネトウヨ)」からの攻撃ではなく、自らのダブルスタンダードだ。

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