角田光代さんの「紙の月」を読みました。角田さんの小説を読んだのは3作目です。「空中庭園」「八日目の蝉」、いずれもちょっとヘビーでどんよりした気持ちになってしまったので、この作品も正直読み切れるか自信がありませんでした。ただ、何なんでしょう。読み始めると、途中でやめることができなくなりました。何でもない夫婦の中にあるちょっとした違和感。日常の中のちょっとしたきっかけで起こる変化。相手に求められている訳でもないのに、何かを与えたくなってしまう気持ち。麻痺していく犯罪意識。どれも、誰にでも起こり得る可能性があるのではないかと思わされる流れで、読み進むことを辞められませんでした。予想した通り、どんよりした気持ちになりました。でも、とても考えさせられる作品でした。映画化、楽しみです。
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2014/09/13
- メディア: 文庫
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