沢木耕太郎さんの「キャパの十字架」を読みました。
戦場カメラマン、ロバート・キャパの名前を一躍有名にした1枚の写真「崩れ落ちる兵士」の真贋をめぐる話で、恐らく、「深夜特急」と並んで沢木耕太郎さんの代表作となるような作品です。
ただ、沢木さん本人が述べているように、また、「キャパの十字架」というタイトルが示すように、その写真の真贋よりも「崩れ落ちる兵士」の真実を背負って、キャパがその後どういう生き方をしたのかというのことが重要。
でもそこは意外に薄い感じでした。恐らく、沢木さんのこの作品へのモチーフがある時変わってしまったためだと思われます。目次も第9章が「ラストピース」で、第10章が「キャパへの道」。目次をみる限り第10章は「エピローグ」でもいいのだけど、ここが「キャパへの道」となっていて、実は「キャパの十字架」というタイトルと関係している訳です。
とても面白かったですし、かなりの傑作と思いますが、もう少しラストの厚みがあっても良いような気がしました。
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/02
- メディア: 単行本
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