野口悠紀雄さんの「世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか」を読みました。いつもながら野口先生の本は実証データが豊富で説得力があります。論調自体はいつも先生が指摘している点なので、あまり目新しい話は無かったと思いますが、やはり日本経済が構造転換すべきであることは良くわかります。特に新興国の外需に頼るような輸出主導の経済回復は基本的に難しいことは非常に重要なポイントだと思います。新興国の成長率は大きくとも需要自体はまだ大きくないこと。新興国の需要はコモディティ製品であり、高付加価値製品ではないこと。コモディティの生産は新興国での生産に寄与するかも知れないが、日本の生産には寄与しないこと。などですね。で、結果として日本が有している対外資産をうまく運用して外貨を稼ぐべきという話は、説得力がありました。いずれにせよ、「日本は物作りにこだわり続けてはいけない」ということは非常に良く理解できました。
- 作者: 野口悠紀雄
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/05/28
- メディア: 単行本
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