りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

昭和史発掘6 2.26事件2

ちょっと時間を掛け過ぎなところもありますが、松本清張さんの「昭和史発掘(六) 二・二六事件(二)」を読み終わりました。何度もいうようですが、松本清張さんの歴史への取り組みは「史料に語らせる」という極めて客観的なアプローチが主体で、豊富な史料に裏付けされた多角的な見方が、歴史への取り組み方を勉強させられるものですが、豊富な史料は諸刃の剣というところもあって、詳細に入り込んでいくために、知識が十分でない読者にとっては「木を見て森を見ない」ことになりそうで、ちょっと辛いところがあります。で、この巻は、決起の前日まで。章立ては3つで、「北、西田と青年将校運動」「安藤大尉と山口大尉」「二月二十五日夜」です。二・二六事件について、十分な知識を持つ以前は、この事件については北一輝が指導的役割を演じたと思っているところもあり、また青年将校としても磯部浅一や村中孝次といった名前くらいしかすぐには思い浮かばなかったところもありますが、慎重派でありながら主導的役割を果たしたと思われる安藤輝三大尉については、ちょっと感じるところがありました。決起に加わった、長瀬一元伍長の談話がでているのですが、富士の演習時のエピソードや仙台教導学校へ入るときの上野駅への見送りなど安藤大尉の人柄や部下思いのところが伝わってきて、かつこういう優しさが青年将校思想へつながっていることを思うと、感慨深いものがありました。昭和史発掘(七)はいよいよ決起です。

昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)

昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)

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