りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

死刑にいたる病

阿部サダヲさんが期待通りの怪演。何といっても目かな。底なし沼に引き込まれるような冷たさと、生気を感じさせないまなざし。これと、回想シーンで愛想よくふるまうパン屋の親父さんとの対比がとても怖い。白石和彌監督だからどうしても孤狼の血と比較しちゃうところがあるのだけど、あくまでもグロい残虐シーンとLevel2でどこまでの行っちゃったヤクザを演じた鈴木亮平さんの目と、違っているけど印象的な点は同じでした。
さて、サイコな知能犯。人をいたぶり殺すことに何ら痛痒を感じない。むしろ、その姿を見ることに快楽を覚えて、一部をコレクションしたりする。明らかにおかしいのだけど、彼らにとってはそれが作品だったりもするから、誰かに見せたいし、理解させたいという気持ちもどこかにあるんではないかな。だから身近に呼び込み、その能力をテストする。岡田健史さんも難しい役を上手く演じていたと思う。ある意味近いところまで行って、やっぱり違うことに気が付いた。感情に任せて暴力を振るうことはできても、一線は超えないし、快楽も感じない。ただ、一線を超える力は人を支配する力にもなっているような気がした。一線を超えられない人間は結局支配されてしまう。そんな怖さも感じてしまいました。

監督:白石和彌

脚本:高田亮

出演者:阿部サダヲ、岡田健史ほか

死刑にいたる病