まず素直にとても面白かった。池井戸潤さんの作品らしく、ある意味水戸黄門のように、悪代官にいじめられ続けても、最後は正義が勝つみたいなところがとても痛快でした。そもそものあの長編小説をどこまで端折って、エッセンスだけ取り出すかというところに興味はあったのだけど、取り出し方は秀逸。原作の面白みを全く損なうことなく、綺麗に映画にまとめ上げたような気がします。キャスティングも良かった。深キョンだけ、ちょっと可愛すぎるな。
財閥グループが持つ強み、大企業のいやらしさなどがこれでもかというくらいに描かれる反面、そうした中にも必ず正義を意識している人はいる。誰もが出世だけを、自分の利益だけを考えているわけではないということ。裏で握って全部OKとか、そういうのは許されない。
悔しい思いをした人たちの残してくれた数々の糸口が一つに繋がって、不可能だと思っていた巨悪を最後は倒す。最後に思わずガッツポーズをしてしまいたくなる作品でした。