9月18日は満州事変の原因となった柳条湖事件が起こった日で、先日の反日デモに続いて中国各地でデモが予定され、予想されたようにエスカレートしていった。こんな折り、知り合いがFB上でLibération紙による尖閣問題の記事を訳してアップしてくれた。非常に興味深い。日本の報道だけでは判らないことがある。まずは、彼が訳した記事の最後の部分を引用させてもらう。
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ノーメンクラツーラは権力闘争の最終段階に置かれている。3月の薄熙来(Bo Xilai)失脚以来、最近の政治局員 胡錦濤(Hu Jintao)国家主席の右腕が左遷され、さらに後継者に選ばれた習近平(Xi Jinping)の二週間にわたる説明なき不在など、その徴候には事欠かない。来月の第18回共産党大会で指導者がほぼ全員その地位を譲るだけに、政府は弱体化している。中南海(党本部や要人官邸のある地区)には反目が満ちている。
国民の苛立ちは非常にはっきりとしているが、それは日本に対するものよりも生活水準や不公平感に関するものの方が大きい。多くのデモ参加者は「反日」を唱えるために与えられた例外的な機会を、自分たちが心底考えることの表明に利用しているのだ。昨日は広東では広げられた赤い横断幕に書かれた「自由、民主主義、人権」を人びとは読み上げた。横断幕の隅には「Diaoyuを守れ」と小さく書かれている。「政治(の仕組み)を改革」と掲げたプラカードもある。ある年金生活者は石盤を広げていた。その上には、わずかばかりの年金で暮らしているのに、どうして中国人はDiaoyuのためにデモをしているのか、自分は「人権を奪われている」と自問している。背後の細長い幕には、「労働による再教育の農場」の廃止を強く求めている。そこにはネットユーザーの政治犯の一行が1〜4年間の懲役のために送り込まれる。
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どうだろうか。まずLibération紙は中国の権力闘争に着目しているというのが一つのポイント。それから中国では普段デモが許されていないらしいので、反日という名目で限られた機会を市民が有効に使おうという意識が働いているらしいこと。何のことはない。普段抑圧された意見を反日というベールに包んで高々と叫んでいるだけなんじゃないかとそんな風に感じた。あと、この新聞は決して日本に批判的でないことも確認出来た。そういう意味で、海外の情報が極めて極めて有益でした。ありがとうございました。
ちなみに文中にあるDiaoyuというのは中国名の尖閣諸島のことです。記事の前半ではSenkakuと記述されており、Libération紙は米国系のマスコミと同様尖閣諸島はSenkakuと表示されているようです。
PS
関係ないけど、今日は安室ちゃんの誕生日です。おめでとう。
PPS
夕ご飯を友達と。最近あまり良いことが無かったので楽しい時間が過ごせたことに感謝。