湊かなえさんの「贖罪」を読みました。面白かったです。各章ごとに語り手が変わる手口はいつもの湊さんですが、もしかしたら「告白」よりも「少女」よりもこの「贖罪」が面白いかもしれません。少女時代に殺人事件に遭遇し、犯人と話しているはずなのに誰も顔を覚えていないという事実からスタートし、ヒステリックに反応した被害者の母親からの言葉をトラウマとして、4人の少女はそれぞれに別の殺人事件へとかかわってしまう。これだけならそれが不自然な感じもするのだけど、違和感を感じさせないストーリー展開がこの小説のすごさかもしれません。語り手が独白的に話す手法は、とても主観的に話が進んでいき、すべてを知っていく読者との微妙な距離感が面白いように感じました。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/06/06
- メディア: 文庫
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