正確にはまだ読み終わったわけではありませんが、大前研一さんの「『知の衰退』からいかに脱出するのか?」を読みました。大前研一さんの著作はいつも刺激になっていいです。この本は編集者の日本人の知的衰退が進んでいるのではないかという疑問からスタートしているらしい。「ちょっと考えればすぐにバカバカしいとわかることに対して、何の疑問も持たない人が増えたように思える。それは、日本人が「ほんの少し考えること」さえ怠ることになったからではないのか」というのがその編集者の疑問らしい。
私は3章の「1億総経済音痴」の中にあった「ゼロ金利政策を通じて家計から金融機関および企業へと所得移転が進んだ」「家計から失われた利子所得により、金融機関の不良債権と企業の過剰債務が処理されたという」大前さんの指摘は本当にそのとおりだと思っています。さらにいうと、その恩恵を受けている銀行が税金を払っていないというのがなんともいえなく腹立たしいのですが、そういうことに鈍感なところが「知の衰退」なんだろうなと思ったりもします。怖かったのは、6章の「無欲な若者と学力低下」で、今の20代を「ケータイ世代」と呼ぶと、彼らは「半径3m以内のことにしか興味を持たない若者」と表現され、所有欲もなくとにかく無気力というのが気になりました。ケータイ世代の自宅でのパソコン所有率は50代と同じくらい低いというのは(パソコンが使えないわけではないが、すべてをケータイで済ませるため)、とても驚きでした。
「どげんかしなきゃいかん」ですね。
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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