りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

走りながら考える

為末大さんの「走りながら考える」を読みました。Twitterでは哲学的なTweetを繰り返す為末さんの作品なので、期待して読んで、言っていることはシンプルなのだけど、アスリートとして世界と戦ってきた人だけに、説得力が一味違うなと思いました。ただ、ここまで頑張って、この気持ちにたどり着いた人と、ただなんとなく頑張りきれずにあきらめてしまった人とは本質的に違うような気がする。その辺を読み間違えてはいけないなと思いました。

 「『恥ずかしい』とか『みっともないと思われたくない』と思う、その気持ちこそが、実は自分の人生を狭めているかもしれないことに、後になって気がついた」

「『あの時俺は勝ったじゃないか』というよりも、『あの時自分は逃げなかったじゃないか』というほうが、明らかに自信につながる」

「本当に大事なことを突き詰めるには、こんなふうでいたい、こんな風に見られていたいという欲望との決別が必要になる」

「世の中にはどうしようもないことがたくさんあって、そこに出口がないなら、どうにかしようがあることに努力や時間を割いていったほうがいい。・・・あきらめたものが多いほうが、ひとつのことに集中投下できる。それゆえ成功しやすい」

「挫折経験のある人が優しくみえるのは、自分が弱いことを知っているから。人は弱いもの、心の深いところでそれを実感した人は、相手の弱さに対してまったく他人事ではいられなくなる。・・・挫折を乗り越えるためには、努力は報われないことが多いけど、どれでも自分にできることを今、精一杯やるしかないのだと知ること。そして、懸命に努力した自分を許し、いたわってあげることが、真の癒しなのだと思う」

「全体のバランスで見始めると、欠点が欠点だけで存在しているのではなく、長所とセットになっていることがほとんどだった。欠点には存在する理由があったのだ」

「自分自身を思い残すことなく卒業させてあげるために、万全の準備とそのときの全力を尽くす。そこに、大いに意味があるのだと思う」

「『これ以上は無理そうだ』とか、『これ以上続けると自分がおかしくなる』、あるいは『壊れてしまいそうだ』というのを、理屈ではなく『体感』としてわかっているということ。これからの時代、生きていく上で特に重要な能力のひとつだと思う」

「心理学では体力が落ちてくると気力も落ち込み、気力が落ちると体力も落ちて病気などになりやすくなるという『心身相関の原則』という考え方がある」

「休みどころを知っているから、どこが踏ん張りどころかもよく判っている」

「調子が良いときの状態を知っておくのも効果的だが、コンディションが良くないときの状態や調子が崩れる『崩れ際』に敏感になることも必要だ」

「自分の身体の変化に対する洞察力と、刺激と反応の因果関係を読み取る推論力によって結果にも大きな違いが出るのだ」

「イメージとしてちゃんと描けたものは、かなりの確率で実現できる」

「結果はともあれ、自分自身で『ちゃんとやれたな』と思う経験を積み重ねていくと、自分自身を信頼できるようになる。尊敬できるようになる」

「努力はとても大事だけれど、努力以外で決まる勝負は少なくない。時々、人生にはやるせないようなことが起こり、それでも人生は続く。競技人生後半で感じていたのは、こういう世の中の切なさや辛さ。言ってみれば無常観とどう向き合うかということだったのだと思う」

走りながら考える

走りながら考える

 

 [DATA]
今月の読書 7冊
1月からの読書 65冊