りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

市場の失敗

今日の日経新聞経済教室は、東京大学准教授柳川範之氏による今年のノーベル経済学賞インディアナ大学のオストロム教授とカリフォルニア大学バークレー校のウィリアムソン教授の「ガバナンス問題に関する研究」の簡単な紹介。
オストロム教授は「現実には規制や政府介入がなくても、利用者の共同体が、ルールやそのエンフォースメント(執行)を自分たちで行い、うまく統治していることが多い」ことを明らかにした。ポイントは長い歴史と経緯で形成された仕組みが、より適切なルールになるという実態。この場合、政府は共同体の内部に入り込みにくいので規制には難しさがあるらしい=モニタリングや罰則が難しいということ。
一方のウィリアムソン教授は、決定者の権利の濫用が組織内取引のデメリットと限界だとして、「複雑で標準的でない経済活動で、相互依存が大きい、つまり交渉決裂こそとが大きい取引に企業内取引で行うことが良い」と結論付けたところがポイント。結局のところ、「市場メカニズムがうまく機能しないとしても、それに代わる、あるいはそれを補完する民間による非市場メカニズムが機能し、経済取引をうまく実現させていく、そういう民間の知恵が現実的にはかなり存在している」ということらしい。生活の知恵ですね。