りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

遠い山並みの光

原作はカズオ・イシグロさんですし、カンヌ国際映画祭出品作品であることを考えると、それなりに理解が必要な作品であることは予想済み。すんなりとストーリーを楽しむというよりは、主人公の悦子の心の動き。誰に対してどういう感情をもって接していたのか、起こった事件に対して何を感じたのか、そして彼女はその時どう行動して、それが何を生んだのか、そういうものを考察していく作品なんだろうなと予想していた。彼女が語る佐知子という女性。悦子と佐知子はどういう関係で、お互いにどういう感情を持っていたのかとか。ラストは、なるほどそういうことだったのかという納得しかなかった。ただ、映画で判らないのは前夫やその家族である前夫の父とどういう別れ方をしたのか。その別れがなければ、夫との出会いもなかったし、イギリスに渡るきっかけもなかったように思う。そこがちょっと謎なのだけど、女性の生き方に対してあまり新しい考え方を持てない人たちとの生活は息が詰まるものがあっただろうし、被爆者に対する偏見のようなものも感じていたのだとは思う。そこは、詳しく説明せずとも察すべきことなのか。ただ、映像は美しく丁寧な感じがしたし、出演者の演技も皆素晴らしかった。なるほどカンヌ出品作品、映画らしい映画だなと思った。終わった後に、「あれ、良くわからなかった、何を見落としていたんだろうか」ずっと気になる。そして考えさせられ記憶に刻まれる。良い作品だと思いました。

監督:石川慶

脚本:石川慶

出演者:広瀬すず二階堂ふみ、吉田羊