NHKのBSでやっていたドラマ「天城越え」についても書いておく。松本清張原作のドラマ化。時代は昭和30年ごろ。印刷工場を営む社長の元に刑事が現れ、時効になってしまった未解決事件の記録の印刷、製本を依頼する。この中に、この刑事が担当した30年前の天城峠で起こった土坑殺人事件が含まれている。この事件の容疑者となった女性は遊女の大塚ハナ。茨城の貧しい家に生まれ、吉原に売られる。年季が明けて晴れて大門を出ても、行くところはなく、温泉旅館で中居として働くも男女のトラブルで場所を追われる。何をやっても不幸な人生。しかし、殺人は断固として否定する。彼女の天城越えの道連れは家出少年だった次郎。家出を諦めて下田へ帰る途中でハナと出会い、旅の道連れになった。彼らが別れたのは土坑に遭ったあと。遊女のハナはこれからの旅の資金のためか、土坑を誘った。土坑はその後殺されるわけだけど…
頑なに容疑を否認していたハナは次郎の証言を聞いて自白をする。ただ、実際には裁判で証拠不十分で無罪になる。さて、次郎は30年経って、印刷工場の社長になる。刑事の話を聞いて、ハナが自分を救ってくれたことに気づく。そして、最後にハナに会いに行く。ハナは持っている人のツキを潰してはいけないと言った。次郎は罪を免れて、印刷工場の社長になった。そういう人のツキを潰してはいけないという意味だ。ハナの人生は過酷なものだったに違いない。でも、少しの間、旅の道連れにだった少年を救う。それが良いことなのかはわからないけど、ひと時でも純粋に心を通わせた少年を救いたいと思ったハナの気持ちにウルッと来ました。
