藤井道人監督作品ということで期待はしていたけど、期待を上回る作品だった気がする。原作は未読、Netflixのドラマは見ていたけど、ドラマとは構成が変わっている。そして、そうする事でメッセージ性が高まったような気もする。ドラマでは存在感が薄かった綿貫という刑事。今回は山田孝之さんが演じる事で重厚。冤罪はどうして作られたのか?警察という組織で生きることと自身が持つ正義。鏑木は逃走した理由を「人を信じたかった」と言った。希望のある未来はその礎に信頼がある。綿貫刑事は信頼できる社会を守りたいと思ったのではないか?その綿貫刑事を山田孝之さんが演じる事でこの作品のメッセージが強く伝わった様な気がする。吉岡里帆さん演じる沙耶香も良かった。鏑木と沙耶香の間には愛情というよりも、相手を信じるという信頼関係があって、相手の人格を受け入れた上での好きという感情があった様な気がする。そして、この作品の主役である横浜流星さん。鬼気迫る演技で凄かったです。逃走劇は半端なく、優しい演技は優しく。そして、逃走する中で人を信じたい気持ちが強くなって行く内面の変化も感じられました。とても、良かった。
監督:藤井道人
脚本:藤井道人
出演者:横浜流星、吉岡里穂