りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

国宝 花道篇

吉田修一さんの「国宝 花道篇」を読み終わってしまいました。嵌りました。作品を読み進めたいのだけど、読み終わってしまうのが残念、そんな作品に久しぶりに出会ったような気がします。丹波屋、五代目花井白虎が亡くなってしまったとき、三代目花井半二郎が重要無形文化財保持者に認定されたとき、いずれも電車の中でしたが涙が出てしまいました。白虎も半二郎も紆余曲折があって、苦しい時期もあったけど、ひたすら芸の道を進む、自分の芸を完成させたいという気持ちは同じ。表現の仕方は違っていても、芸を極めるという志は同じ。そういうある意味ストイックな姿と、彼らの周りにいるとても春江や徳次といった魅力的な人物が彼らを支える姿も感動的でした。そして、吉田修一さんの演劇を見るような語り口が何とも作品に引き付けられる魅力を醸し出しておりました。とても良かった。