りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

流浪の月

原作を読んでから鑑賞。若干原作とは異なる部分はあるものの、原作の世界がそのまま再現されているような気がした。ポイントは世間がロリコン誘拐犯と被害者とレッテルを貼って、そのイメージで彼らを判断しているのに対し、彼ら自身は彼らにしか判らない真実を持って、かつ、お互いに求め合っていること。あえて言うなら、お互いがお互いの人生を不幸にしてしまったのではないかという加害者意識を双方が持つことで、不器用な付き合い方しかできない。そして、お互いが理解しあえても、世間が何故かそれを許してくれない。それは、最初に作られた色眼鏡で彼らを見ているからに他ならない。一度貼られたレッテルは終生消えることは無いということなんでしょう。世間はそういう意味では被害者にも冷たいし、弁明の機会を与えない。世の中には他人から見えない心の傷をずっと持ち続ける人もいるけど、本人が持たない心の傷を勝手に押し付けて、そういう眼で他人を判断する世間があるということ。こういう難しい役どころを、広瀬すずさん、松坂桃李さん、そして横浜流星さん、多部未華子さんが絶妙に表現する。少し重たい映画ですが、良い映画でした。

監督:李相日

脚本:李相日

出演者:広瀬すず松坂桃李横浜流星多部未華子

流浪の月