りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ホテル ムンバイ

本当に凄い映画に出会ってしまいました。テロリストによる容赦のない殺戮。こんなシーンに遭遇してしまった時、「テロには屈しない」とかそういいう言葉は無力なんだなって感じてしまいました。早く特殊部隊に来てほしい。早く軍隊が鎮圧してほしい・・・残念ながら力には力で対抗するしかない現実を強く感じてしまいました。
アッラーの神を信じて無差別にテロを繰り広げる少年たち。背後にいる彼らを洗脳し操っているテロリストの幹部たち。そこに微塵も同情する気持ちはないのだけど、欧米を中心とした資本主義による格差の拡大と世代を超えたその格差の固定、搾取する者と搾取される者が存在するなかで、貧しく搾取され続ける者たちが、キリスト教社会を中心とした資本主義国家、とりわけアメリカとイギリスに対する強い憎しみを持ち、アッラーの神による救いを求めて、小さな戦争=テロに走ってしまうという構図は今後も何らかの形で続くのではないかなと思ってしまいます。国際社会の中で対英米という関係から、テロリストを陰で支援する国家や組織もあるだろうし。
テロリストの少年たちが、本当にアッラーの神を信じてテロ行為を行っているのかは判らない。ただ、貧しさの中で、自分たちが命を賭してテロを行うことで、家族が救われると信じていること、あとは自分たちの殺戮行為をアッラーの神が認め、殺戮の相手が貧しさを生み出す資本主義だと思い込めばテロも正当化できる。それを信じた、あるいは信じ込もうとした少年たちの行為には容赦がない。だから、全編を通じて、緊迫した緊張感が続く。それと、ホテルでテロに遭遇した人たちの行動がやっぱり日本人とは違うんだなとそんなことも感じてしまいました。それでも、顧客を守ろうとして一番命を落としてのはホテルで働く人たちだったという事実は何だかとても胸を熱くするものでした。

ホテル・ムンバイ