原作は短編集なんだけど、登場人物が少しずつかかわりを持っている、そんな作品。でも、ヘビー級チャンピオンのウインストン小野とやがて小野と結婚する美奈子が中心だと思っていたので、映画はちょっと違った感じがした。多部未華子さんが演じた本間紗季さんって、確かに原作に出ていたけど、主人公の佐藤とこんな感じだったっけ？でも、そんなことはどうでも良くて、作品の雰囲気を壊すことなく、映画は映画として楽しめる作品になっていたような気がする。
恋愛に出会いが大切なのは判るけど、その出会った人が、あなたで良かったって思えるか？というのがこの作品のテーマなのかな。ただ、出会いが無いと言いながら、人はそれなりに色々な人に出会っている。でも、そうした出会いの中で、何か突き動かされるものがあれば、そこから行動が生まれ、特別な出会いになる。そう、その突き動かされる感情っていうのが大切なんじゃないかな。何かを決心するとき、相手の気持ちのこもった行動が必要なのかなってそんなことを思いました。佐藤の行動で紗季さんの気持ちが動かされたのがとっても良かった。多部未華子さんってこういう役は本当に見事に演じるな。改めて好きになりました。
