りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

絶唱

 湊かなえさんの「絶唱」を読みました。まず、タイトルが凄いな。「絶唱」。本の中にも出てくるけど、広辞苑では①極めてすぐれた詩や歌。②声をかぎりに感情をこめて歌うこと。とあって、もちろんタイトルの絶唱は②の意味。4つの短編から構成されているのだけど、完全に独立な4編ではなくて、4編は少なからず係わっている。舞台がトンガという共通点もあるけど、阪神淡路大震災の影響も共通している。なぜ、トンガなのか?常夏の国・・・という意味ではなくて、トンガの人たちの死生観というのかな。人間は死んで、死後の世界でまたかつて亡くなった人たちに会えるという考え方があって、4つの短編の主人公たちは阪神淡路大震災で大切な誰かを亡くしていた共通の経験を持っている。その死がその後の人生に影響を与えるわけだけど、トンガに行って何を見つけるのか。答えはよくわからないのだけど、死んだ友人を思って絶唱する姿は怖いなと思ってしまいました。

絶唱 (新潮文庫)

絶唱 (新潮文庫)

 

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