りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

失敗の科学

 サブタイトルは「失敗から学習する組織、学習できない組織」。なるほど、航空業界は学習する組織、医学界や検察はなかなか学習できない組織の例としてあげられていた。失敗をしっかり受け止め、そこからきちんと学習していくことは進歩するために必要な過程。だから本来なら失敗をしながら、改善を積み重ね、同時並行的にそれを理論が実証するという形で進歩が進むらしい。良くわかる話だ。

キーワードは「認知的不協和」。これはフェスティンガーが提唱した概念で、自分の信念と事実とが矛盾している状態、あるいはその矛盾によって生じる不快感やストレス状態を指すらしい。認知的不協和が、誰の心にも根深く潜むことを最初に明らかにしたのは、フェスティンガーの最大の業績で、人は自分の信念にしがみつけばしがみつくほど、相反する事実を歪めてしまう傾向があるということ。そして、認知的不協和が何より恐ろしいのは、自分が認知的不協和に陥っていることに滅多に気づけないところらしい。人間は外発的な動機より、自尊心を守りたいという内発的な動機のほうに支配されやすい傾向があるようだ。

さて、失敗から学ぶにはふたつの要素がカギとなる。ひとつは、適切なシステム。もうひとつは、その適切なシステムの潤滑油となる、マインドセット。現実世界では、頭で考えたアイデアがどれほど秀逸でも、成功のためには実際の試行錯誤が欠かせない。そして、テクノロジーの進歩の裏には、論理的知識と実践的知識の両方の存在があって、それぞれが複雑に交差し合いながら前進を支えているということらしい。まずは失敗してみること。そしてその失敗を真摯に捉えて、次のステップに活かすこと。あきらめないマインドセットがとても重要ということでしょうか。

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

 

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