りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

まなざしの誕生

下條信輔さんの「まなざしの誕生」を読みました。きっかけは3月9日の読売新聞に掲載された池谷裕二さんの書評。まあ、池谷先生との接点は読んでいてわかったのですが、かなり勉強になりました。いくつかノートしたこと。
1)発達の流れ;赤ちゃんの側ではなくて、むしろお母さんやほかの大人たち側からの赤ちゃんに対する反応や働きかけが、発達の重要なきっかけとなる。2)①体の活動を土台に、②「随伴性検出ゲームを通じて、③感覚どうしのつながりを発見し、④ものやからだのシェアを作り上げる。---このような過程が自分や他人の認識。言葉や記憶の発達など、すべての基礎となっている。3)大人の赤ちゃんに対するイメージが、その人の赤ちゃんに接する態度を決め、さらにそれが赤ちゃんの反応や、その後の交流の方向を決める。4)記憶力が記憶力だけで存在することはありえず、記憶する方法の上達や、思考力、判断力の向上と相まって、初めて本当に役立つ「記憶」になる。5)赤ちゃんの「記憶」は、からだを通じた、そのような感覚と運動の文脈の中でしか、成り立たない。赤ちゃんの記憶が、お母さんとの間の交流に、基づいているということである。6)「学ぶはたらき」そのものが発達に伴って質的に変わるのであり、それは何重もの不連続な変化、「メタ」化、結びつきなどによってはじめて可能になる。7)「学ぶ」ということは、与えられた特定の状況や刺激に対して、特定の反応の仕方でもって応じる能力を、獲得する働きにほかならない。8)からだが学習や記憶の原点。9)赤ちゃんの心のはたらきは、親やほかの大人との間の無限に加速されるフィードバックによって発達する。10)経験も乏しい赤ちゃんは、まなざしを通じて、大人の脳をいわば「活用」しながら発達を遂げる。そのような訴えかけるまなざしに対して、大人がまなざしで応答してあげるこごがこれほど大切であるかは改めていいようがない。11)「本当に理解する」ということは、赤ちゃんに対して想像力を駆使し、その心の発達について生き生きとしたイメージを描き出し、そのイメージの中で考えること。12)ピグマリオン効果:「〜として扱う」ということの効果は大きい。13)「赤ちゃんに心はあるか?」という問いに対する答えははっきりしている。「心をもつ者」として扱われることによって、またそこことだけによって心を発生し成長する。
結局のところ、「学ぶ」ということ成長とともに学んでいくわけで、そのことを周囲の大人が良く認識し、知識ではなく触れ合いの中でともに学び成長していくということが重要なのかなと思いました。確かに、こうしたコミュニケーションの基本は赤ちゃんに対してだけでなく、大人の人間関係の中でも重要なんだろうなと感じさせられました。

まなざしの誕生―赤ちゃん学革命

まなざしの誕生―赤ちゃん学革命

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