りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ツレがうつになりまして

奥さんと映画「ツレがうつになりまして」を見に行きました。題材が題材なので、楽しく見られないだろうなとは思っていましたが、そんなにディープに落ち込むこともなく、ちょっとだけほのぼのした感じもしたのは宮崎あおいさんが良かったからかな。この映画の宮崎あおいさんは、今までいくつか見た宮崎あおいさんの中で一番良かった。やっぱりすごい女優さんなんですね。
最後、若干良くなったツレが、講演会で講演するところがあって、そこまで回復したのなら、ある種ハッピーエンドなのだけど、素直にハッピーエンドと思えないのは、実際の話は、もういちどツレが鬱に戻ってしまうことを知っているからかもしれません。介護もそうなのだけど、付き合う人はとてつもなく手間と時間を要求されます。そして、終わりがないところに軽い絶望感が伴います。鬱病の患者は、痴呆でもなんでもないから、そういう情けない自分を自覚して、自覚するが故に「申し訳ない」を繰り返して、そして衝動的に自殺を考えたりするのだろうけど、介護されている老人はどうなんだろうなと考えさせられてしまいました。昨日、お昼に親子丼と豚汁、さらに大根の煮付けを食べた親父が、「おいしいな。何もしていない自分がこんなにおいしいものを食べたら罰が当たっちゃうな。申し訳ない」とつぶやいて、ちょっとだけ気になったのだけど「うまいんだったら良かったじゃん。素直にラッキーって思っていりゃぁいいんだよ」といって、家に帰って来ちゃったのだけど、身の回りのことが少しずつできなくなっていくことも恐怖だなと思いました。そう、昔みた渡辺謙さんの「明日の記憶」を思い出してしまいました。歳をとるのは、やっぱりリスクなんですね。
そういえば、映画の中でなんでもないガラスの瓶を見て「壊れないから価値がある」みたいなところがあるのだけど、壊さないっていうのは一つのキーワードなんだなとしみじみ思いました。
最近は、すべてを壊して、またゼロからやり直したい気分だったのだけど、そうではないものもあるわけだし、日常生活は、そうでもないことだらけなのかも知れません。