伊集院静さんの「大人の流儀」を読みました。この本は週刊現代に連載されていたコラムみたいです。伊集院静さんという作家のことは、正直あまり知らなくて、知っていたのは夏目雅子のご主人だったということくらい。あと「乳房」とか「機関車先生」の作者であることくらいでした。今の奥さんは篠ひろ子さんなんですね。これは初めて知りました。
この本の最後に「愛する人との別れ 〜妻・夏目雅子と暮らした日々」という文章があって、これがとてもよくて2回も読み返してしまいました。親しい人の死というものが、自分にどう影響するか。「人間の死というものは残ったものに大きな影響を与えます。特に親しい人の死はどこかに自分の力が足らずに死なせてしまったと悔やんでる人は多いはずです。私もずっとその気持ちは消えません。それに親しい人の死は思わぬ時によみがえって人を狼狽させます・・・」はい。自分にはわからないですが、そういうもののような気がします。やはり時しかこれを解決してくれないのだと思います。
まあ、これはこれでよいのですが、この本はいたるところに結構いいことが書いてありました。3つほど抜粋。1)「企業の素晴らしい点はそこで働く人々の人生も背負っていることだ。当然人々には家族があり、そこには未来がかがやいている。それらのものをすべてかかえ、なおかつ企業は社会をゆたかにし、人々に何らかの貢献をしていなくてはならない」2)「清潔、身奇麗は、丁寧につながる。丁寧は仕事の基本である。丁寧は、人間の誠実が、これをさせている。誠実は生きる姿勢である。」3)「人間は長く生きると、誰にでも運、不運があることがわかってくる。いいときと悪いときは交互に訪れると言う人がいるが、それは嘘である。運のいい人間と、運の悪い人間はあきらかにいる。昔から人間が何か、誰かに祈ったり、頼みごとをするのは、運、不運の存在を知り、運の悪い方に自分が入らないように願うからである。」

- 作者: 伊集院静
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/03/19
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 60回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
今月の読書 2冊
1月からの読書 30冊