「ガイアの夜明け2011」を読みました。「ガイアの夜明け」は毎週ビデオにとって週末見ていることもあって、本の内容は基本的には一度テレビで見たものでした。毎週、頑張る人たちを見て、ある種の感動を覚えて、元気をもらっている番組というのが、私のガイアの夜明けへの感想ですが、その感動をコンパクトにした分、ちょっと薄くなってしまったかなというのが正直な読後の印象でした。ただ、読んで思い出すことも多く、出会えて良かったなと素直に思える一冊でもあります。中でも、「バンクーバー五輪に挑んだニッポンの技術 メイド・イン・ジャパンの男たち」は非常に印象に残る作品でした。実際にはさらにその中の一部ですが「悲運のヒロイン上村愛子『一年間の軌跡』」は電車の中でほろっと涙が出てしまいました。上村愛子、2002年のソルトレークでは6位。2006年のトリノでは5位。オリンピックでメダルを取る難しさを十分噛みしめて、世界選手権で金メダル。そんな彼女の技術と気持ちを信じて、スキー板を提供してきた「アイディ・ワン」、スキーブーツの「レクザム」、ウエアの「アルペン」というメイド・イン・ジャパンの技術はバンクーバーでまたも悔し涙を飲んでしまいました。4位。悲願のメダルは、またあと一歩のところですり抜けてしまい、あの有名な「何で一段一段なんだろうと思いました。」という言葉を生んでしまいました。上村愛子の悲しみはいくばかりか?でも、それを支えた技術者達の涙もまたひとしおだったように思います。勝負の世界は厳しいが故に美しい。そんな思いを感じさせる物語でした。

ガイアの夜明け 2011 (日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫―日経スペシャル)
- 作者: テレビ東京報道局
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/11/02
- メディア: 文庫
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