梶井厚志さんの「戦略的思考の技術 ゲームの理論を実践する」を読みました。この本はゲームの理論の入門書で、誰かの推薦図書だったものを古本屋で見つけて購入したものです。確かに面白い。第1章戦略、第2章先読みと均衡、第3章リスクと不確実性、第4章インセンティブ、第5章コミットメント、第6章ロック・イン、第7章シグナリング、第8章スクリーニングと逆選択、第9章モラル・ハザード、第10章値引き交渉、第9章オークション、という構成でした。まず、各章のタイトルである言葉の意味を知るだけで、なるほどというだけでなく、ゲームの理論の面白さがわかります。ちょっと面白かったのが、モラル・ハザード・もともとは保険の言葉だったらしいですが、文字通りのモラルの問題なのではなく、観測できないことに対してインセンティブを与えることが難しいというインセンティブの問題と、観測できない行動へのコミットメントは相手に信頼されないというコミットメントの問題が絡み合った問題であるということ。代表例は、本当は人に任せたほうが双方のためになるのに、その人が自分の指示通りに動いてくれたかどうか後になってもわからないため、仕方なく自分でその仕事をこなしてしまったり、あるいは確認のために不要な量力を費やすことが上げられている。いや本当に奥が深い。
- 作者: 梶井厚志
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 新書
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