りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

デフレの正体

藻谷浩介さんの「デフレの正体」という本を読みました。サブタイトルは「経済は『人口の波』で動く」というもの。あとがきに一言で「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて、人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」とまとめられていますが、非常に説得力のある話でした。一般的なエコノミスト達を、数字を読まない(SY)、現場を見ない(GM)、空気しか読まない(KY)と批判していることもあって、データ=事実に裏付けられた考察は客観的で極めて明快でした。解釈の問題もありますが、「日本企業の生産性が低いのは、生産能力が過剰な中で多年ディスカウント競争を続けている結果、生産性の分子=付加価値額の主要部分である内部留保と人件費が構造的に低水準になっているからであり、分母=労働者数が過剰な為ではありません」というような話が随所に見られました。本質的にはディスカウント競争を続けて、低利益、低配当の会社に対しても投資を行う投資家がいることが問題なのかも知れませんが、データを読む切り口は大変参考になりました。サブタイトルにもあるように、今の日本のデフレの正体は、生産年齢人口の減少=消費者人口の減少→供給能力過剰→価格競争の激化→売上の減少→GDPの減少という流れで説明されていると思います。率ではなく絶対数で見るという考え方も非常に参考になりました。

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

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